茅葺き屋根は刈り込みが終わった直後から、毎日紫外線や風雨にさらされ、
次の葺き替えの時期まで表面から少しずつ弱っていくことになります。
条件によっても違いますが、大体葺き替え周期は20年、
北側はその半分といわれます。
その経年変化が自然素材を使った屋根の趣でもあるのですが、
少しでも長持ちさせるには方法があります。
まず、屋根をなるべく乾燥した状態で保つこと。
通風や日照の妨げとなるものをなるべく離すことが大切です。
屋根に触ったり、葉や実を落とす大木がある場合、屋根を弱らせる原因となります。
草木が生えてきて、茅が土のようになってしまっている場合もあります。
次に、早めの処置をすること。
鳥にいたずらされたり、台風などで茅が部分的に抜けてしまったり、へこみや溝ができた場合、その部分で雨水が滞り、傷みが進行してしまうことがあります。
そのままにしておくと、雨漏りから構造材の腐食まで招く場合もあります。
なるべく傷みの原因となるものを取り除き、弱ってきた部分は差し茅などで早めに補修しておくことが、屋根を長持ちさせ、費用を抑えることにつながります。
定期的なメンテナンスが茅葺き屋根との付き合いには必要です。